コミュニケーション能力を養うためには、まず相手の話す言葉が聞き取れなければなりません。聴解能力の育成は語学を学ぶうえで避けては通れないものです。外国語を聞いて理解するというのは難しいことですが、まずは短い会話や文章を聞き、既習文法や語彙を確実に聞き取れるようにすること、そしてさらには大意を取ったり必要な情報を聞き取ったりするストラテジーを身につけることも大切です。そのためには、やはり聴解タスクの練習は不可欠だと考えます。 授業で聴解練習の時間が取れない場合は、宿題として自宅学習に課すことになると思いますが、その際、事前に勉強法を説明しておくことが大切だと考えます。例えば、分からない言葉が出てきてもそこで思考を止めずに想像しながら最後まで聞くようにする、また分からないからといってすぐにスクリプトを見ようとしない、最後にシャドーイングをしてみるなど、学習者はどのように聞けば、聴解力がつくかを理解していないと思いますので、詳しく説明したほうがより効果的だと考えます。 「練習帳」に含まれる語彙は、原則的にはテキストで学習した文型、語彙・表現のものですが、一部キーワードにならないものは未習のものも含まれています。

各課で学んだことを定着させるために、1課につき2ページの練習問題があります。練習問題集の扱い方は、宿題として自宅で書かせて、教師が添削するという形が一般的ですが、そのほかのやり方として教室でテキストの練習が終わり、その文型が理解できているかどうかを確認するために、その場で練習問題からいくつかの問題をピックアップして書かせてみてもいいと思います。また復習として授業の始めに、前回の学習内容の問題をいくつか選び、クイズ形式で答えさせることもできます。なお宿題にするときは、課を終えてすぐに書かせるよりも、何日かおいて書かせたほうが効果的だと考えます。